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2009年6月 4日 (木)

オトノハコ

51whhr4kril__sl500_aa240_ 岩岡ヒサエが描く、高校の合唱部を舞台にしたマンガ。

高校に入学した田辺きみは、朝練をしている合唱部にあこがれるが、自分の声に自信がなく入部を躊躇していた。ある日、学校のロビーで行った合唱部の演奏会を聴いて入部を決意。近くで聴いていたいという動機で。しかし、部員は、3年生の部長と2年生が一人、きみの他に1年生が二人という五人だけ。かろうじて合唱コンクールに出場できる人数で、彼女たちの部活動が始まった。

主人公は特別な才能を持っているわけじゃない。むしろ「変な声」と言われたことをコンプレックスに思っている。その彼女がそのコンプレックスを抱えながら、みんなと声を合わせる気持ちよさを感じていく。ついでにちょっとした恋の話もからむ。恋の話がちょっとってのがいい。

仲間たちと何かをやり遂げようと、努力する姿をほのぼのした絵柄で描く。女性漫画誌では結構ある手法かもしれないけど、個人的にはちょっと新鮮。たまにはこんなのもいい。

2009年5月 6日 (水)

中央線ドロップス

Photo_7 元町夏央の短編集。

6つの話が掲載されているが、それぞれ中央線の駅に住んでいる人物が主人公となっている。セックスレスになった夫婦、先生に恋した女子高生、熊の恋人と住んでいる女教師、夜のお仕事をしている母と二人で暮らす娘、中学のとき憧れだった女子と高校の水泳部で再会した男子高校生、大学を卒業し実家へ帰ろうとする青年…。それぞれが住む街を舞台に物語が進む。

それぞれの物語に共通することは、中央線沿線を舞台に人間模様を描いているってくらい。ちょっとファンタジーが入ってる物語もあれば、リアルな男女関係を描いているものも。ただ一冊の単行本として読むと、まとまりがない気もする。熊の恋人と同棲している女性の話に違和感があるのも確かだが、登場人物の関連・連続みたいなものが途中でなくなってしまうことも原因だろう。一応最後の話で、これまでの主人公たちがエキストラのように登場したことで連作としてのまとまりを保てたが…。

でも中央線沿線という舞台は惹かれるのも確か。描かれる町並みになじみがあるから親近感はわく。話としても一つひとつで見ると、心に残る表現が結構あった。絵も、女性の表情やしぐさに艶があり、結構好きな部類に入る。初の単行本みたいだが、今後も楽しみにしたい。

2009年5月 3日 (日)

ジキルとハイドと裁判員 (1)

Photo 北原雅紀脚本、森田崇漫画で描く裁判員マンガ。

裁判員制度による裁判が始まる2009年7月。裁判官の辺見直留は、裁判員制度による裁判を担当することになった。その初日の夜、首の付け根に謎のバケモノ「ハイド」につかれてしまう。直留が選ばれたのは、直留には人生の行動の記録係「トントン」がついていなかったから。ジキルの能力で時間を止め、被告人のトントンから事件の状況を聞きだすことができた直留は、裁判員たちを「正しい判決」に導こうとする…。

ジキルやトントンが出てくるところがマンガ的な設定だが、、基本的には真面目な裁判もの。真実を暴くというより、トントンから聞き出した事件の真実に基づいた判決へ、いかにして裁判員たちを誘導するのかが物語の核になっている。心理学の専門知識を駆使し裁判員を脅したり、人を裁く怖さを説いたりするところが見所。

裁判官を主人公にした裁判員制度マンガっていうと「裁いてみましょ」(きら作)っていうのもあったな。裁判員が抱える事情がそれぞれあって、議論の過程でそれが明らかになるって話だった。まぁ、悪くなかったけど、そんなに続かなかった。

映画「12人の怒れる男たち」のような陪審員(裁判員)のやり取りの面白さを何回も継続するためには、裁判員を主人公にはできない。一回選ばれたら終わりだからね。裁判員制度を舞台にしたマンガを描くには、裁判官を主人公にするしかないんだな。

ただ、これも長く続けられるマンガかどうかは微妙。なんせ、トントンから事情を聞くには直留の寿命1ヶ月が必要という、「恐怖新聞」のような設定がある。そんな設定だと長く続かない気がするなぁ。

2009年4月21日 (火)

ベントラーベントラー (1)

51hl8bqcexl__sl500_aa240_ アフタヌーンで連載中の「ゆる系SF」ギャグマンガ。

舞台は近未来の東京。異星人(の製造物)が地球に漂着する世界。地球に漂着した異星人(の製造物)に対応する首都圏民営警察・外星生物警備課の活躍(?)を描く。「ベントラーベントラー」とは、「地球外より侵入した生物及び漂着物に対する処遇を在地球外星人に仰げ」という隠語。外星生物警備課の女性職員・牧原(「すみちゃん」)と、「在地球外星人」のクタムを中心に、「ベントラーベントラー」指示が出された案件に取り組む。

SFっぽい表現が満載な割りに読みやすいし、ほのぼのしているのは絵柄と日常生活の描き方のせいだろう。「漂着物」処理のために出勤するすみちゃんに対して、母が帰りの買い物を頼むシーンなんかは象徴的。とにかくゆるーい雰囲気なのだ。

そのゆるさに拍車をかけるのがすみちゃんとクタムのやりとり。発言自体本気か冗談かわからないのに、形相も表情が読めないクタムに対して、容赦ない態度をとるすみちゃん。まるで日本人と外国人のコンビでやっているショートコントのよう。異文化とのふれあいって、笑いにもなれば、ときにはドラマになるってことを再確認した。異文化を笑いにするマンガで連想したのは「ダーリンは外国人」。こっちはエッセイマンガだけど、通じる面白さがあるのかも。

他の外星生物警備課職員をはじめとした登場人物が皆、危機感や緊張感がないのもいい。かといって藤子・F・不二雄のSFマンガのように設定だけSFで説明されないマンガってわけでもない。まぁ万人受けするマンガとは思えないけど自分は好きだな。それなりのSF的設定やキャラ設定が必要なのでどこまで続くかは不安なところ。

不定期でいいからがんばって続けてほしいものだ。

2009年3月29日 (日)

モテキ(1)

Photo 草食系男子の「モテ期」を題材にした漫画。

ある日、29歳の派遣社員・藤本幸世のもとに今まで知り合いだった女性たちから次々と連絡が入った。派遣先の社員、女友達、三年前に片思いした女性、高校時代の後輩…。これは「モテ期」なのか?幸世の「本当の恋」を見つける旅が始まった。

「モテ期」に入った幸世だが、結局女性の気持ちを読みきれずにうまくいかないまま、次の女性に移るってパターンを続けるようだ。実際、そのモテっぷりはうらやましいくらい。でも、同時にヘタレっぷりも見事。昔の女性経験から来る卑屈さや「中2病」のような勘違い・受身の姿勢でうまくいかないことが面白さにつながってる。

でも、過去のシーンとして出てくる話も、そんなにモテないという印象はない。普通に見たら「十分」なレベルな気がする。まぁ、ある程度の「モテ要素」がないと「モテ期」との整合性がなくなるから仕方ないんだろうけど。

幸世と出会う女の子たちはフジロックやサマソニ行ったり、漫画好きだったりするから勝手に親近感沸いちゃったりして…。まぁ、そんな楽しみ方もできる人がいるかも。

ちなみに久保ミツロウって女の人だと思ってたから、あとがき漫画はちょっと笑ったwww

「そうだよなぁ」って。

2009年3月22日 (日)

ワイルド・ナイツ(1)、(2)

51y7hblnwxl__ss500_ 古泉智浩のストリートファイト漫画。漫画アクションに連載中にちょっと読んだことはあったけど、最後どうなったかわからないままいつの間にか終わっていたのを覚えている。

地方都市に住む30過ぎの国森はパチスロ店員。婚約を解消した相手からは1,300万円の賠償金を請求され、子供も生まれたと連絡が来る。もともと臆病な国森は、将来成長した子供からの復讐と、周りにいるヤンキーへの恐怖から空手を習い始める。空手を習うにつれ、コンビニにたむろしているヤンキーへストリートファイトと、彼女とのセックスに明け暮れる毎日が描かれる。国森の未来はどうなるのか?

514tze2jcul__ss500_ ただただ、ヤンキーとのストリートファイトと、彼女とのセックス(別れてからはテレクラと風俗)とバイトという生活が描かれる。でもそれが結構面白いんだから不思議なもの。国森が徐々に空手の実力をつけてきたり、女の子との満たされたセックスを追い求める姿は、男だったら共感してしまうものなのだろうか。

でも、この漫画の最大の魅力は最後の最後に待っていた。正直、ストリートファイト&空手とセックスのみで終わるのかと思っていた。それが、こんな感動的なラストになっているなんて!読み終えてしばらく放心してしまった。

何かに不満を抱えて生きている若者たちにはぜひ読んでもらいたい漫画だ。

2009年3月 1日 (日)

WORST-ワースト- (22)

Worst22 高橋ヒロシが描くヤンキー漫画の金字塔。名作「クローズ」の続編として始まった「ワースト」も22巻になった。

「クローズ」のときから共通しているのは、鈴蘭高校を中心とした抗争を通して、友情と男気を描くってこと。とにかく熱いし、かっこいいんだよな。長期連載になっているのも納得の漫画。

主人公の月島花が、宿敵の天地寿とタイマンして21巻で決着がついたから、22巻では比較的おとなしい展開。初登場となったチーム「E.M.O.D」の頭・前川宗春は、今後の展開を匂わせるだけで本当に顔見せだけだし、鳳仙学園内のモメごともあっさり終わる。まぁ、最後の3年生卒業がメインって感じ。ブッチャー、黒澤、原田が卒業を迎える中、グリコが留年して第2部(花の2年生時代)が終わる。

「クローズ」と違って、「ワースト」では花が天地との宿命の対決が一つのテーマだったから、今後の展開が難しいところ。E.M.O.Dの前川が一つの鍵を握るってことか…。

でも、雑誌の連載はしばらく外伝が中心になるみたい。「クローズ」もそうだけど、外伝が面白いのはサブキャラが豊富でそれぞれ魅力あるから。外伝の間に第3部の構想をゆっくり練ってもらいたいものだ。

2009年2月25日 (水)

ONE OUTS(ワンナウツ) vol.20

Oneouts20_2 「LIAR GAME(ライヤーゲーム)」の甲斐谷忍の理詰め系野球漫画。個人的には彼の出世作だと思う。本編は19巻で終わっていたが、アニメ放映にあわせて連載された「疑惑のオールスター戦編」が単行本化された。

19巻あった本編は、万年Bクラスのプロ野球チーム・リカオンズの主砲・児島に見出された伝説の賭け野球投手・渡久地東亜の活躍を描いた漫画。異例の入団に難色を示すオーナーに東亜が提示したのは、アウト1つごとに給料を支払う「ワンナウツ」契約だった…。敵チームの主力選手、万年Bクラスで負け根性が染み付いているチームメイト、チームの勝利よりも損得の計算しかできないオーナーを相手に、抜群のコントロールと驚異的な洞察力、そして悪魔のような奇策を武器に戦う姿が面白い漫画だった。

今回は外伝的な扱いだけど、テイストはまったく同じ。オールスターで新記録の「10連続三振」を狙うという記事が捏造された東亜が、セリーグの敵バッターと、記録を邪魔しようとするパリーグの捕手・仁科を相手にするお話だ。

本編と同様、一見失敗と思える大胆な作戦が、実は伏線をたくさんちりばめた緻密な作戦だったっていうどんでん返しが繰り広げられるところは全然変わっていない。「LIAR GAME」で人気出たのも、こんなどんでん返しが受けたんだろうな。人によっては、理屈っぽく映るかもしれないけど、好きだねぇ、こういう理詰めな感じ。

ただ、さすがに1999年っていう時代設定で展開する話としては無理があるね。自分でおまけ漫画に書いてるけど、そのときネットの接続はダイヤルアップが主流。ネットの掲示板(2ちゃんねるっぽい)で「祭り」が起こるような時代じゃなかったし、2ちゃんの書き込みで社会が動くってところまでには入ってなかったと思う。まぁ、そこらへんは目をつぶっても十分面白いと思う。

また復活しないかね、この漫画。この際、野球じゃなくてもいいや。東亜の若い頃を描いた漫画でもいい。さすがに無理あるかな…。

2009年2月11日 (水)

俺はまだ本気出してないだけ(1)、(2)

1 ダメなおやじの脱力系コメディマンガ。

高校生の娘がいるおやじ・大黒シズオは、40歳を過ぎて「自分を探すために」会社を辞めてしまった。ダラダラ過ごしていたある日、シズオは「マンガ家になる」ことをめざすことに…。

まぁ、シズオのダメっぷりが面白い。「自分探し」のために会社を辞めるし、描いた経験もないのにマンガ家目指すし、バイト先の年下たちにはなめられるし、「いいんですか?、本気出して…」なんて言っちゃうし。でも、なんかダメだなぁってバカにしきれないところ2 があるんだよね。まぁ、同世代だから余計にそう思うかもしれないだけど。「俺何でもできる」って考えは通用しなくなるし、下からの突き上げもあるし、年齢に見合った考え方とか行動をいつの間にか強いられている40歳前後のおやじ世代は、そんなに笑えないマンガだったりしてw

シズオの同級生・宮田とか、シズオのお父さんが言ってることは、今の社会の一般的な意見。それに対してシズオは真逆の生き方を選択してることになる。バカにされて笑い者になるはずだが、どこかうらやましい存在に見える。実はそんなところがこの魅力だったりして…。

しかも!

バイト先の元後輩・市野沢を中心にした「いい話」がどんどん増えてくる。「脱力系コメディ」なんて書いたけど、普通にいいマンガじゃん!

ちなみに作者の青野春秋氏の絵はうまくないけど、女性が魅力的。というかエロい。描き分けはできてないみたいだけど…。

今後、どんな展開になるんだろう。楽しみなんだけど、ちょっと怖い。

2009年1月29日 (木)

COPPELION(1)、(2)

1 ヤンマガで連載中の女子高生SFアクション漫画。

西暦2016年、東京でおこった大地震により原発事故が発生。東京は放射能に汚染され、人間が住めない街になっていた。その東京に入ろうとする3人の女子高生がいた。彼女たちは遺伝子操作で放射能の抗体を持っている陸上自衛隊特殊部隊・コッペリオン。死の街となった東京から出されているSOS信号をもとに生存者を探す任務を果たそうとするが…。

使い古されているかもしれないけど、意外と新鮮な感じがする「死2 の街・東京」。そして原発事故の原因、コッペリオンの能力、生存者の素性などが徐々に明らかになってくるあたりは、「次が読みたくなる」つくりになっている。でも何より異色なのが(というより特徴的なのが)、コッペリオンの3人が女子高生の制服を着ていること。一応制服を着ていることの根拠が描かれているけど、まぁ後付的な感じは否めない。でもこの設定が、放射能で死んでしまった街と女子高生という絵柄の違和感の絶妙な雰囲気を生み出している気がする。

状況説明とキャラクター紹介で終わった1巻に続き、2巻ではそれなりに登場人物の悲哀や苦悩が描かれてて本格的な面白さに入った感じ。ただ、風呂敷をかなり広げてるからうまいこと収拾がつくのかは見ものだ。

一つだけ不満が…。週間連載を考えてか、前回の続きを最初の1~2コマで紹介する描き方なんだけど、単行本では流れを切られる形になる。残念。

2009年1月12日 (月)

家族ランドマーク

Photo なんとなく購入したマンガ。

緊張すると髪が異常に早く伸びてしまう姉、やらしいことを考え始める思春期の弟、おとなしい父、そしてそんな家族をやさしく受け止める母。ちょっとマンガ的な表現(髪の伸び方)もあるんだけど、家族それぞれの感じることに結構共感できるところがあったりする。

それぞれの話が独立しているけど、前に描いている世界観をうまいこと受け継いで話のポイントに生かしている。

なんか、人生いろいろ大変なことが起きるけど、それでも世の中動いていくし、そんなに気にしなくてもいいんだよって言ってくれてる感じ。

絵はそんなうまいわけじゃないけど、ストーリー作りはいい。今後が楽しみなマンガ家だと思う。

2008年11月14日 (金)

BECK(34)

Beck34b ロック漫画の「BECK」が34巻で最期を迎えた。

日本のフェス「グレイトフル・サウンズ」での大トリのライブ。ファンの熱狂的な支持を得ながらプレイするBECKのメンバーたちが、それぞれ結成から今までを振り返るってのが34巻。振り返りつつ、演奏が終了。台風で大荒れになっているが、観衆の声に応えてアンコールを強行する。そのアンコールの最中にオーロラビジョンが崩れるというトラブルが!

そこでBECKのメンバーが目にしたのは、大合唱を続ける観客たちだった…。

正直、「グレイトフル・サウンズ」まで引っ張ることなかったんじゃないかって思ってたけど、まぁこのシーンがあるから納得。なんかライブで大合唱って、弱いんだよな。つい感動しがち。この大合唱のシーンも鳥肌が立ってしまった。

でも、その後の終わりは結構あっさり。

まぁ、それはそれでいいのかも。

で、その後はエディの最後を描いた外伝が一つ収載されている。単行本としては中途半端な最後だったからなのか。外伝を入れてちょうどにしようと思っていたのか。ちょっと疑問。

それにしても長い連載になったな。ロック漫画だけでなく、音楽漫画としても金字塔となった作品。多くの人に長く読まれてほしい名作だ。

2008年11月 3日 (月)

この度は御愁傷様です

Konotabi 坂上徳造が三人の息子を残し亡くなった。「遺産分配はダーツで決めろ」という言葉を遺して。本気にしていなかった息子たちだが、見つかった遺言ビデオには一億円の遺産をダーツで決めろという徳造の遺言が録画されていた。遺言を預かっている弁護士も現れ、三人の息子と一人の孫が、遺産分配のダーツを行う…。

遺言分配ダーツの話は一話だけで終わるのだが、その後も話は続く。徳造の隠し子、愛人、著名な友人、そして父(三人の息子にとって祖父)が一話ごとに次々と現れるのだ。その過程で明らかになっていく徳造のすごさ…。AV監督で、何人も愛人がいて、プロ野球選手の経験もある。まぁ、マンガだなw

亡くなっても息子と孫と友人たちを振り回す徳造はとっても魅力的。振り回されてる息子たちの姿が笑える。ホームコメディ・ドラマにしたら面白いかもしれない。

どっかのTV局の方、ドラマにしませんかね?

2008年9月25日 (木)

宇宙兄弟(1)~(3)

1宇宙飛行士をめざす人間たちを描いたマンガ(モーニング連載)。

  「宇宙飛行士になる」。少年時代にUFOを見て、そんな約束を交わした南波兄弟。

大きくなって約束どおりに宇宙飛行士になった弟・日々人に比べ、兄・六太は会社をクビになり、無職になっていた。そんな六太に日々人からのメールが届く。昔UFOを見たときに録音していたテープを聴いてみろと。そこには、宇宙飛行士になって月に行くとい2う日々人に、「お前が月に行くんなら、兄ちゃんは火星に行く」という六太の声が録音されていた。約束を果たすために、宇宙飛行士の選抜試験へ挑む六太の挑戦が始まった…。

宇宙飛行士の選抜試験は、先月書いた「度胸星」を思わせるストーリー。閉鎖空間で課題をクリアする試験や、「二次元」「三次元」の考え方なんかは「度胸星」をイメージしてしまう。でも、実際の雰囲気はかなり違うな。六太や、試験を受けているライバル・仲間が、ちょっと笑えるキャラだからだろう。

3正直、雑誌連載では全然見ていなかったが、ふと思い立って読んでみたら一気にはまってしまった。笑えるマンガとしてではなく、宇宙飛行士の選抜試験合格をめざす大人たちの人間模様にはまったのだ。その人間模様の中で、隠れた才能と運の良さ(運の悪さ とも言えるw)を発揮する六太から目を離せない。

また、一つ先を読むのが楽しみなマンガが増えた。

2008年8月19日 (火)

度胸星(Ⅰ)~(Ⅳ)

1 その昔、ヤングサンデーで連載されていた山田芳裕作の傑作。惜しくも打ち切りになってしまったため、話は中途半端で終わってしまったが、今年に入って、講談社でデラックス版として復刊した。たぶん、モーニングで「ひょうげもの」を連載しているつながりで出版社を変えて発行したのだろう。。

話は…

火星に初めて降り立った人類。ところが、火星地表に着陸したスキアパレッリ2号着陸機からは突如通信が途切れる。火星に降りたスチュアート飛行士は、自分が乗ってきた着陸機と母船が不思議な物体に破壊されるのを目撃。その物体(テセラック)の調査と闘いを挑んでいく。

一方、地球では火星探査機の救出に向けて動き出す。NASAだけでなく、日本のNASDAでも飛行士の募集が始まった。トラッカーの三河度胸は、救出ミッションのクルーへ応募。選抜のための様々な試験に挑戦していく。

度胸は救出ミッションのクルーに選ばれるのか?スチュアートを救出できるのか?そしてテセラックとは何なのか?

この漫画の魅力は、まずテセラックのめちゃめちゃさ。距離感とか大きさみたいなものを完全に無視した行動をとる。これが何者なんだ?ってことが一応明らかになるんだけど、結局はようわからん。

そして度胸が選抜試験をクリアしていく過程が面白い。英語による面接から始まって、閉鎖されたモジュールでの試験、水中での無重力行動試験など…。どれも人間性を試されるような試験。他の試験生たちの対応も興味深い。

やっぱり残念なのが打ち切り。連載当時には、なぜこの漫画が?と驚いたもんだが、あんまり受けがよくなかったのもわからないでない。確かにちょっとわけがわからないところがあるかも。でも、今回の復刊で何か追加されるのかと思ったけど、書下ろしがあるわけでもないし、解説やあとがきがあるわけでもない。ちょっと残念。今更書き足せないだろうけど、あとがきでいいから何かしらの解説がほしかったな。

でも、やっぱりおもしろいのはおもしろいんだよなぁ。

2008年8月13日 (水)

シマシマ(1)

Photo 「はるか17」に続く山崎紗也夏の新作。

エステのオーナー「しお」は、前夫との離婚後、眠れない夜に前夫の弟と添い寝したことをきっかけに、「添い寝男性」の派遣会社「ストライプ・シープ」を始める。エステと副業しつつ、ストライプ・シープに所属する4人の男性との奇妙な関係を描いたマンガ。

しおと4人の男性スタッフとの恋愛沙汰は一切なし(今のところ)。前夫を引きずっているしおが男性と新たな恋愛に進めるのか?って話と、4人のスタッフの働き振りを通して現代女性の苦悩や寂しさを描くって話が中心と言える。

4人のスタッフがそれぞれタイプは違えど、女性にもてるタイプであったり、男性と添い寝するだけでもいいって考え方は女性ならではの視点かも。しおといい感じになりそうな男性が現れてしおにアプローチしていくが、ちょっとうざがられてしまうのも男にとっては痛い話だ。だって、そんなにダメな感じの男じゃないんだもの。それなりに考えてアプローチしているのに、「この人じゃない」なんて思われるのは、まぁ「勉強」になる。

男として読んで面白い(実際掲載は男性向けマンガ雑誌)けど、女性の方が読んで面白いって思うんじゃないかなぁ?

2008年7月12日 (土)

ボーイズ・オン・ザ・ラン(10)

Boysontherun10 男・田西の闘いを描いた物語もいよいよ最終巻。

借金を抱えハナの金をあてに戻ってきた源。田西は、ソープで働かせてでもハナに金を稼がせるという源からハナを守れるのか!?そして学校でいじめられているシューマイ先輩(小学生)の問題はどう解決する?

ごく普通のサラリーマンだった田西が、女がらみでいろんな闘いに巻き込まれて(自ら突っ込んで)いく。闘いはどれも非現実的なんだけど、なんか共感できるんだよな。実際田西はかっこいいわけでもなく、根性があるわけでもなく、優れた能力があるわけでもない。本当にそこらへんにいそうな男だ。そいつが覚悟を決めたときの行動に共感できないわけないじゃないか!

ただ、雑誌連載の最後はちょっと尻切れ的な気がしたのは残念だった。単行本ではエピローグとして後日談が載っている。それが結構すごい話!いや、まぁそれでいいのかも。

2008年6月 8日 (日)

たまちゃんハウス(3)

3 逢坂みえこの落語家群像劇マンガ。

師匠の家に住み込む内弟子を卒業し、念願の二人暮しを始める春々と白春。家に残された師匠の娘・珠子は、清々した気持ちと同時に寂しさを感じる。すると、珠子はなんとも思っていなかったはずの春々の魅力に気づく。そこに父のライバルともいえる吉兆のところで手伝いをしている女性が恋のライバルとして登場。珠子の恋が動き始めた。

落語を題材にしたマンガって結構めずらしいと思うのだが、落語のネタをうまく紹介しつつ、若手落語家の成長物語を描いている。逢坂さんは群像劇マンガが得意で、主人公的な人を設定しつつ、その周りの人たちの恋やら成長の苦悩を描くのがめちゃめちゃうまい。このマンガも「たまちゃんハウス」ってくらいだから、娘の珠子が主人公っぽいんだけど、周りの登場人物を丁寧に描いたエピソードを一回りしたら2巻使っちゃったって感じ。

やっとこの3巻で、珠子の恋と、人生に悩む姿が描かれ始めた。春々への思いに気づきつつ、落語家の娘として生まれた自分の甘えと苦労を感じてもがくのだ。周りの人間に憧れと嫉妬を感じながら、自分が自分らしく生きる大事さに気づいていくってパターンはこの人のマンガで王道とも言える手法。でも、それがいいんだよね。おすすめですよ。

毎回のように落語のネタが描かれるんだけど、毎回オチは内緒なんだよんな。オチもかなり気になるし、実際に落語画家演じているものが見たくなる。

2008年5月 7日 (水)

3月のライオン (1)

3 あの「ハチミツとクローバー」の作者・羽海野チカの新刊。

まだ1巻だから人物紹介が主になっているのでちゃんとした評価は2巻以降にすべきかもしれない。でも、「今のところ」は片思いの切なさを描いた「ハチクロ」とは違い、桐山零という高校生プロ棋士の成長を描いた物語。偶然「拾われた」3姉妹家庭との交流の中に、今後の片思い路線を匂わせてるが、基本は零の成長物語を描いていくのだろう。

その「成長」ってやつがポイント!

零は幼少期に両親・妹と死別し、プロ棋士の現養父に引き取られる。そこでかわがられるために好きでもない将棋を続けたという設定なのだ。今はその家を出て、一人暮らししているのだが、3姉妹家庭との交流を通して「家族」「家庭」の感覚を取り戻していくって感じなのだろう。しかも、その3姉妹も両親と死別しているし!

家族の死別という喪失感を癒し、自分の人生を生きていけるかってのがテーマだ。気になるのは零が引き取られた家庭でトラウマ的なものを受けたみたいってこと。今後のストーリーに重要な影響を与える伏線だった。

ライバル棋士も細かく描いてるし、将棋マンガとしても一応ちゃんとしている。ただし、単純に「将棋マンガ」として考えると迫力・緊迫感には欠ける。でもそれはしょうがない。将棋を描いているのではなく、あくまで零の成長を描く舞台として将棋を使っているだけなのだから。

あ、ネコ好きの人には、3姉妹家庭で飼っているネコに注目!めちゃめちゃかわいい!

2008年4月27日 (日)

D-LIVE!!(ドライブ) (1)~(15)

Dlive_2今更ながら皆川亮二の旧作を全巻購入して読破した。

普段は普通の高校生に見える斑鳩悟は、特殊能力を持つ人間の人材派遣会社・ASE(エース)のマルチ・ドライバー。車、バイク、電車、ヘリコプター、飛行機、船…、どんな乗り物でも完璧に乗りこなす彼が世界中から依頼された事件・要求に挑む!

いやぁ、まずこの作者の絵がうまいことに驚く。大友克洋の弟子(アシスタント)って話を聞いたことがあるが、アクション系のマンガを描かせたら今一番うまいんじゃないかな。「スプリガン」のときには、うまいけど全体的に暗い感じの絵柄でそんなにすごいって印象はなかったが、「D-LIVE!!」の絵はすごい。乗り物を運転するシーンが肝のマンガだからかもしれないけど、絵の構図がとにかくかっこよくて迫力がある。それでいて雑な感じが全然しない。

ストーリーは2~3回の連載で1つのエピソードを作り上げる形。それぞれのエピソードで見ると、時折強引な終わらせ方をしたり、すっきりしない終わり方をするときもあったけど、魅力的な登場人物のキャラクターがそれを十分カバーしている。1つ1つのエピソードは独立しているから、どの巻から読んでも楽しめるものになっているが、大きなストーリーの核みたいなものが徐々に明らかになっていく。そのまとめ方は見事。悟がなぜASEパイロットになったのか?、父と母は?ってことを徐々ににおわせ、最後の方で明らかになっていくのは飽きさせない展開だった。

普段はボーっとしてて普通なんだけど、実はものすごい能力を持っているって設定は、現在連載中の「PEACEMAKER」にも引き継がれている。こういうの気に入ったんだろうな。

でもこの人の最高傑作はこの「D-LIVE!!」でしょ。

2008年3月12日 (水)

HUNTER×HUNTER(25)

Hunter25 早くも?出た25巻。昨年10週連続で連載が再開された分をまるまる1冊にしたもの。先週号のジャンプからその続きが読めるってのも24巻と同じ流れ。半年に1冊でもいいから、ちゃんと出してくれればそれでいいやって気になる。

今回はキメラアントの王がいる宮殿に突入するシーンから始まる。途中ネテロ会長の昔のエピソードが入るが、突入してからの1分もしない戦闘シーンを描くだけ。

王の護衛軍・ユピーとの戦いと、上空から突入するネテロ会長とゼノ(キルアの祖父)と王との遭遇が主なんだけど、これがまた濃厚なんだよな。ユピーとの戦いは本当にわずかの時間しか描かれていないけど、スローモーションの中にどれだけの思考と行動が詰めこまれているか!

相変わらずのハイテンションで一気に読ませる。昨年の連載時に読んでいるはずなのにドキドキしながら読んでしまった。

今度の連載も10週だけのようだからまた1冊分にしてから中断するってことなんだろう。せいぜい今の連載を楽しむしかない。

2008年1月27日 (日)

鈴木先生(4)

4 教師マンガ「鈴木先生」の第4巻。

今回は生徒同士の痴話げんかが起こり、それを止めに入った鈴木先生のメガネが壊れてしまう。そして昔かけていたという黒ぶちのメガネをかけるのだ。メガネを変えてイメチェンするって新しいなぁw

話の中心は生徒のセックスについて。中学生に避妊指導をするか?ってこと。避妊指導をするってことはセックスを奨励しているのではないか?という鈴木先生の思いと、自分は「ナマ」でする派という自分の性的信条?が語られる。生徒たちと親を前に、セックスに関する指導をする鈴木先生は、この巻の一つのクライマックスといえる。

そこではもう一つの議題、女性の「処女性」についての議論が起こる。自分の彼女がすでに処女でないってことにこだわってしまう男に、そういうことを気にするのは仕方ない気もすると語る鈴木先生はかなり正直w すでに処女でない女生徒と、やっぱり本当に好きな人としたいから大切にしたいという女生徒の思いが語られ、鈴木先生はどちらもいいんだと皆に諭す。処女であること(性経験が少ないこと)と処女でない(性経験が豊富であること)はどちらも責められるべきことではなく、個人の魅力・属性の一つでしかないってことだ。男ならある程度考えたことがあるであろう事柄への著者なりの解答なんだろう。

教師をやっている人なら、「こんな指導ができるなら苦労はしねぇよ!」なんて思うのだろうか。それとも「なるほど!これは使える!」なんて思うのか。でも、仕事は教育に関係なく、自分の子どももいない自分でも面白く読めるんだから、そんなことを気にせず読んだりするのかもしれない。

先ほど、鈴木先生の性指導が4巻の一つのクライマックスと書いたが、もう一つの、そして最大のクライマックスは女生徒・小川が鈴木先生に叫ぶシーン。鈴木先生に、小川にあんなこと言われてがんばれなきゃ男じゃねぇって言わせる小川の言葉とは?

まさにクライマックスw

2008年1月 2日 (水)

TOKYO GRAFFITI(2)

Tokyograffiti2 井上三太作、ストリート・グラフィティ漫画の第2巻。

1巻が出てから4年半!長かったなぁ。「TOKYO TRIBE2」の連載が終了したから、こっちに取りかかれるようになったってことなんだろうけど、それにしても長かった。

独特の世界観で設定された「トーキョー」を舞台に、伝説のグラフィティ・ライター「LOVE」と、シンガー・ピーチとして売れ始めた彼女・桃子とのラブストーリーを描いている。2巻は、女性グラフィティ・ライターのPiNKが登場。LOVEと知り合い、恋に発展しそうなところがポイント。

結構間があいたのに、流れとして違和感なく描けているのはさすが。というか、この連載を辛抱強く待ってくれた編集さんに感謝だな。Pinkのキャラは結構好きで、ピーチよりもいいんじゃないかって思うくらい。続けて出してほしい…。

3巻に続くようなので、ちょっと安心。とりあえず他の連載がなさそうだから、3巻が出るのにそんなに長い間はかからないんじゃないかな。

2007年12月22日 (土)

最近、蝶々は…(上)・(下)

1 内田春菊のエロ・サスペンス・ホラー。

「幽霊にレイプされる」、そんな記事を読んだOL留可は、自分の身に似たような出来事が起こることを感じていた。目覚めると裸だったり、いつの間にか着替えていたり、ついには体に男の精液がついていた。留可は、レイプ幽霊の記事を書いた雑誌編集者萩本に連絡を取る。幽霊の仕業なのか、それとも…。

って感じで話が進むんだけど、多重人格的な話だろうなって思って2 た。ところが、途中で「蝶」と呼ばれるやつが乗り移っていることが判明。一気に霊的な話に…。そして「蝶」が突っ走りすぎて、主人公?留可が死亡する。そして別の人間に乗り移るのだ。あとがきを読んでわかったのだが、作者も最初は多重人格的な話にする予定だったのが、評判悪いので方向転換したらしい。

前半の話はエロ・サスペンス・ホラー。幽霊のせいか、多重人格なのかと悩むって留可と、実際のセックス描写が大事なところ。後半はサイキックホラー的な話なんだけど、どこか牧歌的な感じ。蝶が乗り移ったのがタクシー運転手をしている中年女性克子だったり、その克子が自ら若い男とセックスしたいから蝶と結託するところがそんな雰囲気を作り出しているのかも。

話自体は「それで?」って内容なんだが、一気に読ませてしまうのが作者のうまいところ。セックスの描写がかなりエロいから、それだけで話題になりそうだが、それ以外の読みどころもかなりある秀作だ。

2007年12月11日 (火)

賭博覇王伝 零(1)

Photo 福本伸行のギャンブル・マンガ。

振り込め詐欺集団から金を奪いTV局に返した義賊がいた。そのリーダーは零という人間。詐欺集団に捕まった仲間を助けるために現れた零は普通の少年だった。危機的状況をどう切り抜けるのか?そしてその後連れて行かれた会場で行われるギャンブルとは?

福本さんのマンガとしては主人公の顔がかわいいw 週刊少年マガジン連載だから、いつものような顔にしない方がいいってことなんだろう。「カイジ」のようにダメ人間からスタートするってこともなく、最初っから切れる人間という設定。「アカギ」に近い。でも、クールな感じは控えめ。

ギャンブルもいろんな小ネタが仕込まれたものを次々やっていく感じなのかな。これから面白くなっていく予感。

期待ですよ。

2007年10月21日 (日)

ひまわりっ 健一レジェンド(5)

Photo_2 東村アキコの自伝的マンガ。

宮崎で父が勤める会社に入社した主人公・アキコが、父・健一に振り回され、会社の仲間に振り回されるラブコメ。サブタイトル「健一レジェンド」の通り、父絡みのエピソードがおもろい。作者の実父も健一で、リアルなエピソードも結構あるらしい。

ただ、5巻にもなると父のエピソードだけじゃ話をひっぱれないので、会社の同僚・先輩・後輩たちが中心を担う形になっている。副主任と蝦ちゃんと黒木さんのお笑いトリオ「信頼関係」の話や、小悪魔キャラ・節子と黒木さんの腹黒い関係を描く話なんかは健一が全然出てこない!w

他にも若い健一や、母のキャラが強くなっている。若い健一の勘違いキャラはちょっとやりすぎな気もするが…。しかも父が沖縄に転勤して新キャラが続々?と出現。収拾つくのか?と心配になるくらい。

ま、でも実はそれが面白くなっているからそれでいいんだ。たぶんこっちを面白くするのが漫画家としての正しい成長だろう。

2007年10月14日 (日)

弁護士のくず(6)

6 暴言、セクハラ、脅し…、弁護士らしくない弁護士・久頭の活躍を描くマンガ。

6巻では、生徒に暴力をふるったと訴えられた教師の話(実はいじめ問題が根幹にある)、会ったことのない父の妻から遺産相続の話があった娘の話、父の遺産相続をめぐる3人姉妹の話が収録されている。

最初は1話完結だったんだけど、最近は3話完結って感じになっているみたい。まぁ、単純なネタは尽きて、話が大きくならざるを得ないから仕方ない。2時間ドラマにできそうなくらいのサスペンスタッチになっている。でも面白さは変わらない。

このマンガのパターンとして、最初こんな感じの人間って見せておいて、実は違ったって判明する形が多い。暴力的で威圧的な教師が、実は生徒思いでやさしかったとか、父につらくあたっていた姉たちが、実は父思いだったとか。人間って一面的じゃないんだよって言ってる気がする。その人間ドラマの描き方がとても魅力的なのだ。

前に、「強欲弁護士 銭高守」というマンガも描いてた。監修の弁護士も同じ人。連載はスペリオール。こっちも面白いんだけど、まぁ雑誌の都合だろうなぁ。1巻しか出ていない。基本は「くず」と一緒のテイストだ。

ちなみにこの「くず」、TVドラマにもなった。豊川悦司主演で。でも、主人公の久頭はどう見ても北野たけしなんだよなぁw

2007年10月 7日 (日)

HUNTER×HUNTER(24)

Hunter やっと出た!ハンター×ハンターの最新刊。

週刊少年ジャンプで連載が再開するのにあわせての単行本発行なんだろう。連載がストップしてからどれくらいになるか?とにかく長かった!待ち望んでいた最新刊だよ。

キメラアントの「王」が東ゴルドー共和国の国民を「選別」するのを阻止しようとするゴンたち。ノヴが王宮への通り道をあけ、作戦遂行の直前までを描く。

連載が中断しているのは、完全な作者の都合。いったいいつまで引き延ばすんだって思ってたけど、改めて読むとやっぱり面白い!そのテンション、緻密な展開、迫力…。作者の行動を考えるとむかつくけど、「もう読まない!」なんて言えない。悔しい。

ついでに連載再開した方も読んだ。

24巻の終わりから再開する連載は、相変わらずのテンション。たぶんいろんな伏線がはられているはず。それを片付けながら、最後の戦いが展開していくんだろう。

中断されないことを祈るだけだ。こんなことを考えていることがやっぱり悔しい…。

2007年9月28日 (金)

レッド

Red 山本直樹作の左翼青春漫画。

70年安保の時代、東大安田講堂事件を境に学生運動が衰退を始めた頃の話。それぞれの学生運動が直接的な武力攻撃へと変化する中、革命をめざす若者たちを描く。

あさま山荘事件にいたるまでを描こうとしているんだろう。「●●山荘事件で逮捕されるまであと●●日」「死刑判決確定まであと●●日」といった注釈つきの登場人物紹介が物語の端々に入る。

今、この時代の若者の言葉を聞いても、違和感を覚える人が多いだろう。事実、私もそのまま受け入れるのは難しい。しかし、命をかけても成し遂げようとすることがあるってのは考えさせられる。

いわゆる左翼が衰退してしまったから描こうとしたのか、それともネット右翼の増加といった右傾化に対するカウンターアクションなのか…。どちらにしても注目したい作品だ。連載はまだまだ続くはず(続くのかは不安だが…)。

ちなみに、最初は意味がわからなかったが、登場するシーンには必ず丸数字がつけられている人物がいる。表紙にも同じ数字が…。表紙には①~⑮までの数字がつけられている。1巻の後半でわかるのだが、これは死亡してしまう順番のようだ。すごく実験的な表現方法だと思う。

2007年9月 3日 (月)

シグルイ(9)

Photo 今一番熱いマンガ「シグルイ」の9巻。

藤木源之助と伊良子清玄の仇討ちの途中から始まる。清玄が下から切り上げる無明逆流れを出し、源之助が左手に持つ短刀でそれを受け止めたのだが…。源之助の左腕は切り落とされており、それに気づいた源之助は失神?。そこに助太刀に入る牛股権左衛門。9巻は、この権左衛門の話が中心となる。

我を見失って、周りの人間を切りまくる権左衛門。そこから権左衛門のものすごい過去が語られる。いや、すごい。こいつもまた怪物だ!

このマンガには「残酷時代劇」のキャッチコピーが使われることがあるが、久々に「残酷」面がいたるところで描かれている。原作にはない部分だし、その描き方は完全に山口貴由の画力・マンガ力によるもの。

最近、WOWOWでアニメにもなっているが、思ったよりもよい出来。どういう終わらせ方をするのかは不安なところもあるが、楽しみではある。どちらも大注目!

2007年7月24日 (火)

ヒストリエ(4)

Img アレキサンダー大王の書記官エウメネスの人生を描いた歴史マンガ。

待望の4巻が出た。月刊誌の上に毎月掲載されているわけじゃないから単行本になるのが遅い遅い。連載誌で読んではいるものの、単行本になって読むと面白さがさらに引き立つ。

4巻では、ボアの村に攻め込んできたダイマコスの私兵との戦いが描かれる。

一応ネタバレあり

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2007年7月21日 (土)

とめはねっ!(1)

1_4 ヤングサンデー連載の「書道マンガ」。

鈴里高校書道部に入部させられた大江縁(ユカリ)。柔道で全日本準優勝の実力を持ちながらユカリを怪我させてしまったために書道部とのかけもちすることになった望月結希。帰国子女のため書道をしたことがないユカリと、字が下手なことをコンプレックスにしている望月を中心に、スポ魂的そしてラブコメ的話が展開していく。

作者の河合克敏は柔道マンガ「帯をギュっとね」、競艇マンガ「モンキーターン」を描いたマイナージャンルの王者。今回も書道という超マイナージャンルに挑戦した。これがまたさすがと言える出来。まだ1巻だから人物紹介と舞台設定紹介が主だけど、それでも面白い。これからもっと面白くなるはず。

作中に出てくる書道作品は、書道の先生や上段者に書いてもらっていて、随時掲載作品も募集している。読者参加の作品にしたのも結構人気が出る可能性あり。

今後が楽しみな作品!

2007年7月16日 (月)

BECK(30)

Beck30 月刊マガジン連載のロックバンド・マンガの最新刊。

いよいよ始まったアヴァロン・フェス。コユキは無事に会場へたどり着くことができるのか。そして、BECKが全会場で一番客を集めたら、エディ最後の曲は破棄してほしいと、興行主・ビクター・スレイターに賭けを申し出る竜介。端のほうの小さなステージで観客を集めることができるのか?

まぁ、観客が集まるかどうかは次巻へ持ち越しなんだけどね。

やっとアヴァロン・フェスが始まったという感じ。さすがに30巻にもなったらだれてくるんだけど、フェスでの演奏が始まると盛り上がってくるな。しかも、機材トラブルでヴォーカルだけ音が出ない!そのまま演奏を続けるBECKだが、曲の途中で機材トラブルが解消。コユキのヴォーカルが会場内に響き渡る…。かっこよすぎるぞ!

アヴァロン・フェスが終わったらBECKも終わりなんだろうか。目が離せないね。

1814_1  ところで、音楽もののマンガって昔に比べて増えたよな。「BECK」の30巻とあわせて「のだめカンタービレ」18巻と、「ピアノの森」14巻も購入した。どちらも結構長く続いているマンガ。しかも、BECK含めてすべてアニメ化されている。

音楽を絵で表現するのって結構大変だから、今まであんまり作られてこなかったんだろう。そういう意味でも「BECK」は先駆的なマンガだった。音楽はマンガだと伝わらないって発想から、マンガだからどうとでも描けるって発想に転換したから成功したんだろうな。コユキのヴォーカルのすごさは読者の想像の中にしかない。のだめやピアノの森はクラシックが基本だから、知っている人は音が浮かんでくるかもしれないが、BECKはほとんどオリジナルだから、どんな曲かもわからない。

アニメだと実際に音を入れなければならないから、そこで視聴者に想像させる部分がなくなってしまう。BECKのアニメでは、コユキのヴォーカルをはじめ、いろんな部分が期待はずれだった。

実写の映画とかにしたら全然別物として観ることもできるんだけどな。

ちなみにコユキのヴォーカルの私的イメージはKEANEのヴォーカルに近い。透き通って高音が出る感じ。これも人によってイメージが違うだろうが、それが音楽マンガのいいところ。

ロック好きで未読の人はゆっくりでもいいから、1巻から読んでほしい。

2007年7月 4日 (水)

ハチワンダイバー(3)

Photo_37 ヤングジャンプ連載中の将棋マンガ。

プロの棋士になれなかった菅田は、アマの世界の賭け将棋の真剣師として生きていくことを決意。初対戦の相手に勝った菅田はデリバリー・メイドを呼ぶ。そこに来た女の子に癒される菅田だったが、その女の子と賭け将棋の世界で再会。彼女には負けるが、以後彼女の紹介する相手と将棋で対戦していく。3巻は漫画家の真剣師との対戦に決着がつく。

この手のゲームもの(麻雀、囲碁、将棋など)をマンガにするのは結構勇気が必要。麻雀は知ってる人を対象に専門マンガ雑誌が発行されているが、青年誌で将棋マンガを連載するってのはすごく大変なはず。そこは少年ジャンプで「ヒカルの碁」をヒットさせた集英社だし、ある程度のノウハウはあるのかも。

このマンガの面白いのが、真剣師として対戦する相手が、偶然出会ったデリバリー・メイドの女真剣師の紹介ってところ。いろんなタイプの相手と対戦するから、将棋の場面が単調にならないんだな。ルールがそんなにわからなくても大丈夫な描き方してるし、それでいてぎりぎりの緊張感はちゃんと描いてある。

将棋好きじゃなくても楽しめるマンガだな。

2007年6月14日 (木)

大きく振りかぶって(8)

61wkihb9syl_aa240_ アフタヌーン連載の野球漫画。とうとう8巻まで来たか…って感じ。

主人公の三橋は、中学時代監督のひいきもあって、エースの座を渡さなかったことでいじめを受けていた。だから異様に自分の実力に対して卑屈。でも、速度は遅いけど伸びるストレートを持っている。バッテリーを組む阿部はシニア時代に剛速球の傲慢投手に振り回された経験を持つ。

この漫画、舞台が新設の野球部だから全員が1年生。その1年生チームが夏の大会で当たったのが昨年の甲子園出場校・桐青。この試合が2冊ぐらい続いてて、決着がつくのがこの8巻なのだ。

以下はネタバレ。

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2007年5月11日 (金)

海街diary(1)

Photo_29 吉田秋生の新刊が出ていたので即買いした。

少女マンガって雑誌を読めるのがマン喫くらいだから、新作の情報を仕入れるのが書店ってことが多い。「お、こんなの書いてたんだ」って感じで買うことが多い。

今回のマンガは、姉妹のお話。10年以上前に家出した父の死を聞かされ、複雑な思いで葬儀に参列する3人姉妹が、そこで母違いの妹に出会う。その妹も父の最期の妻の子ではない。その妹との別れ際、「あなたがよければ一緒に暮らさない?」と提案する長女。そこから微妙な4人生活が始まる…。

この人の作品好きなんだよなぁ。

「BANANA FISH」とか「夜叉」も好きなんだけど、「桜の園」や「ラヴァーズ・キス」の静かなマンガの方が最近は気に入っている。

ちょっとしたサプライズとして「ラヴァーズ・キス」の主人公の一人・藤井が登場していた!影があっていい役だった。この人藤井が好きなんだろうな。

次巻が楽しみ。

2007年5月 2日 (水)

GIANT KILLING(1)

Giant モーニング連載のサッカーマンガ。面白いのは監督を主人公にしているところ。

野球であれば、監督を主人公にしたマンガもありえる。「クロカン」(三田紀房)や「かんとく」(コージィー城倉)、「やったろうじゃん!!」(原秀則)、「ラスト・イニング」(中原裕)なんかを思い出す。「かんとく」はちょっとギャグマンガだったけど…。野球の監督って、試合中の一つ一つのプレーに対してサインを出すからマンガにしやすいってことなんだろう。

サッカーは違う。選手に指示できるのは、基本的にハーフタイムと選手交代(しかも3人まで)のときのみ。それをマンガにするのはなかなか難しいはず。

1巻では試合のシーンも少ないが、雑誌の連載では他チームとの試合シーンもあって、なかなか面白くなっていた。今後に期待できるよ!

このマンガが成り立つようになったのは、ここ何年かでサッカーを観る人の「観る技量」が上がったからだろう。「4-4-2」か「3-5-2」か「4-3-3」か、なんてシステム論や、ポジションごとの特性、チーム戦術なんかを理解し、論じることができるようになった。だからこんなマンガを読んで「面白い!」と思えるようになったんだと思う。

ちなみに原作の綱本将也氏は同じくモーニング連載で「U-31」というマンガの原作もやっていた。これもサッカーマンガだったが、名作。サッカー好きの人にはぜひ読んでもらいたい作品だ。

2007年4月12日 (木)

団地ともお(9)

409181163901_sclzzzzzzz_v25150000_aa204_ 枝島団地に住む小学生・ともおを中心に、団地に住んでいる人々を描いたマンガ。笑えるマンガなんだけど、ちょっと心が温まる話もある。最新刊は9巻。

最初、「面白いけど、長続きしないだろうなぁ」と思っていたが、しぶとい、しぶとい。どうやら作者・小田扉の才能を見誤っていたようだ。

ともおとその家族、そして同級生が主人公の回が出てきたのは、1話完結のギャグマンガとしてまぁ普通の展開。でも、近所に住んでいる女子高生や定年退職したおじさん、コンビニでバイトしている青年なんかが主人公となる回が出てくるようになった。9巻でもそれぞれが主人公の回があって、中には団地にいるカラスを主人公にした回まである。

カラスの視点で物語が進むこの回は、「団地ともお」というタイトルとはほとんど関係ない話だ。かろうじてともおの他数名のキャラクターが数コマ描かれているのみ。カラスの側から人間とは?他者への愛は?なんて言葉が出てくる。

他にも、タクシーの運転手が話す細切れの情報が徐々につながっていくサスペンス的な回があったり、ともおたちとコンビニのおじさんのくだらない争いを描いたり、ともおの部屋に昔住んでいた住人の手紙を通して団地の昔と今を比較する回があったり…。

作者はものすごく好きに描いている気がする。設定や登場人物がかろうじて「団地ともお」なだけ。ストーリーにはなんの拘束性はない。

その上で、独特の温かい雰囲気と奇妙なストーリー展開が微妙なバランスで成り立っているのだ。未読の方はぜひ「団地ともお」ワールドを体験してほしい。

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2007年3月23日 (金)

シグルイ(8)

8 南條範夫氏の「駿河城御前試合」のマンガ化。といっても、原作は、いくつかの御前試合を描いた短編集で、「シグルイ」の藤木源之助と伊良子清玄の試合はその中の一つにすぎない。

結構前から原作にはない話が展開されていて、8巻も原作にはない話。師匠・岩本虎眼を討った清玄に対して、藤木が行った仇討ちが描かれる。

仇討場へ向かうところから始まり、8巻すべてを仇討ちのシーンで費やす。しかも、終わらない!

このマンガの戦いのシーンは結構短めだったから、1冊すべてが戦いってのは内容が濃いね。緊張しながら一気に読みきった!これだけ描き込んだ絵であれだけの決闘シーンが展開されるとそりゃもうすごい迫力。今、一番熱いマンガと言っても過言ではない。

すごいマンガだよ。女性はダメって人もいるかもしれないけど、読んでほしい。かなりのオススメ!

なんか、アニメ化されるらしいんだけど、表現的に大丈夫なのか!?残虐なシーンもたくさん出てくるし、現在の差別用語もばんばん登場する。変なアニメにしたらむかつくだけなんだけど…。

2007年3月21日 (水)

大奥(1)(2)

1_3 徳川時代に設置された「大奥」のお話。

でも他とまったく違うのが女性将軍のために設置された男だらけの大奥ってこと。

1巻はその男だらけの大奥がどんなものなのか、徳川八代将軍・吉宗の時代を通して説明していく。もちろん吉宗も女性。なぜこのような物語にな2 ったのかについては、若い男性ばかりが亡くなる疫病が流行り、婿をとることが貴重になったという架空の設定を基本にしている。

では、なぜ女性が将軍となり、男だらけの大奥ができたのか?それが語られるのが2巻。

2巻は、大奥に無理矢理入れさせられた僧侶と女将軍の純愛(オビにはそういう宣伝文句が…)を軸に話が進む。

うーむ…。これは面白い。

次が読みたくなるのだが、続刊がなかなか出ない!

一種のSFなんだけど、人間模様が中心に描かれてて、歴史を知らない人間でも楽しく読めるはず。美男美女を描くのがうまいよなぁ。

2007年3月15日 (木)

ハンマーセッション!(1)

1_2 事故を起こした護送車から逃走した詐欺師が、とある私立中学の教師になりすますことになった!

設定自体は非現実的な感じ。でも、その詐欺師がいかにして生徒たちの問題を解決していくのかは興味深い。

まだ1巻だから、これからどんな展開を見せるのか、どんな難題を解決していくのか不透明だけど、ちょっと期待が持てる。

設定に無理があるのでそんなに長くは続けられないと思うが、詐欺師として護送されていたが、実は無実だった!みたいな展開を無理矢理作り出せば続けられるのか?

2007年3月 5日 (月)

鉄子の旅 (6)

6 鉄道オタク・横見浩彦氏と漫画家・菊池直恵氏が鉄道を使った小旅行を通じて、各地の路線を紹介していく「鉄道旅マンガ」。

実はこれで最終巻だったんだな。知らなかった。

全然鉄道オタクじゃないんだけど、ただの興味で1冊買ってみたら、面白くてはまってしまったこのマンガ。考えてみると、鉄道好きじゃなくても楽しめるんだよな。結局は横見さんのキャラと突拍子もない発言・行動、そして毎回のように起きる小事件。そういう細かいところをきちんと拾い上げてマンガにした菊池さんのうまさが光る作品だと思う。

そして、なぜか鉄道を使った旅がしたくなってしまうのだから不思議…。

実はこのマンガ、アニメ化されるらしいんだけど、どういうこっちゃ!?

取材マンガのアニメ化なんて初めて聞いたぞ。

2007年2月27日 (火)

オレはキャプテン(13)

13 「くたばれ体育会」な野球マンガ。高校のスカウトも注目する3人が新設校に入学し、「体育会方式」とは違うやり方で甲子園をめざす。

彼らも2年生夏の大会に参加。13巻はその大会の準々決勝途中から。

雨が降ってくるシーンで、雷が苦手な選手が腰を抜かしてしまいトリプルプレーになるシーンがある。今までの野球マンガではありえないw 着眼点がいいよな。

辛くも準々決勝を勝ち上がったカズマサたち。準決勝の相手は元チームメイトの那巳川がエースを務める高校。那巳川には当然カズマサたちへの対抗意識がある。でも試合前にゴルフの練習場に行っていたカズマサたちを偶然見かけた那巳川。それに怒った那巳川に対して、カズマサの監督・デレックが「地区予選準決勝ぐらいでピリピリしているようじゃ器が小さい」と一蹴した。ああいうのを見ると安心する、今日は勝てるぞと。

そういう観察の仕方がこのマンガの面白いところ。この著者コージィ城倉は、マンガの原作者としても活躍していて、一風変わったマンガをつくっている。注目の作家ですよ!

2007年2月25日 (日)

鈴木先生(1)

1 鈴木先生がクラスで直面する問題を描いた「教師モノ」のマンガ。

ある女生徒に好きな人がいるらしいと聞いて、ショックを受けたり、生徒に欲情してしまいそれをおさめようと必死になったりするシーンは今までの教師モノにはなかったリアルさだと思う。

1冊に3つのエピソードが前後編で収録されていて、前編が問題提起編、後半が解決編って形になっている。さて、鈴木先生はどんな解決策を講じるのか?なんて軽くわくわくしながら後編を読んでしまうのは、まるでミステリー小説のよう。

こういうマンガを連載(毎号ではないけど)しちゃうんだからアクションって雑誌は結構すごいよな…。

おすすめですよ。

2007年2月11日 (日)

ホーリーランド(14)

14 ストリートファイトものの14巻。

いじめられっこが自宅でシャドウボクシングを続けていくうちに強くなって、さらにストリートファイトで鍛えられていくってお話。

今回はサブキャラ(大事な役割だけど)伊沢くんの過去の話がメイン。

高校ボクシングで期待されていた伊沢が、先輩からの妬みからつぶされ、退部に追い込まれる。その後はストリートファイトでカリスマ的存在になっていく姿を描いている。

でも、逃げ込んだ教会の中で出会った少女との交流で自分を見つける、みたいなエピソードはどうかなぁ…。

主人公神代ユウがいじめられている後輩を助けるところなんかは主人公の成長を感じるいいお話だった。

もっと、ストリートファイトのシーンが読みたいところだよ。

2007年2月10日 (土)

ボーイズ・オン・ザ・ラン(5)

5_3主人公・田西が、好きな女の子(ちはる)を奪ったライバル会社の青山と対決する第5巻。

青山強ぇぇ!!(ネタバレ)しかもカポエラw

田西の戦法もちはるが青山にばらしていたことがわかり、なすすべなくボコられていく

辛い状況だとわかりつつも、田西へたれだなぁと思ってしまう。

でもがんばる田西に感情移入してしまうのは主人公だからか?

自分の中にあるへたれ人間に訴えかけてくるのか?

さらに!

決闘に惨敗しても、ちはるを見送りに行く田西。だが、そこでちはるが言う「青山さんは、ケガしてないかな?」の一言に(これもネタバレか…)血が逆流する思いだった。

最後、切れた田西と、ちはるのやりとりは切なくて切なくて…。

連載雑誌で読んできているはずなのに、やっぱり読むのに力がこもってしまうのは不思議だ。

青山との決闘以降、田西はボクシングジムに通うことになるのだが、今後本当にプロボクサーになっていくんだろうか?

2007年1月27日 (土)

へうげもの(4)

4 戦よりも茶器の名物。

そういう主人公を中心に戦国時代を描いたマンガの4巻。

私は歴史に疎いので知らなかったが、主人公の古田左介(織部)って実在する人物。後に茶器の名器を世に出したんだとか…。

史実と違うところがところどころあるようだがそれもはっきりとはわからない(史実を知らないからw)。だからこそというべきか、十分なエンタテイメント作品になっている。4巻では、古田左介が官職「織部」を授かり、窯作り集団「織部十作」を立ち上げる。

この人のマンガの特徴は、たまに「ドーンッ」って出てくるインパクトある絵と、登場人物の表情の多彩さ、妙な擬音の使い方にあると思う。この4巻でも和睦をしに徳川家康を訪ねた左介にもてなしとして宴が用意されるのだが、このときの玄米飯がものすごい山盛りだったという絵が出てくる。まさに山田芳裕のマンガ!

でも、昔は迫力のある絵でがんがん押していくマンガを描く人だったが、この作品ではその絵を抑え目にして、人物を丁寧に描いている気がする。

和睦のために家康が秀吉の妹と契りを交わす(セックスする)シーンがある。秀吉の妹は秀吉に似ていて正直醜い。だが、家康は和睦を保つためにその秀吉の妹と契りを交わした自分を「我が領民に褒めてほしい」と思う。あの徳川家康がそんなことを思うのだw

歴史モノはあまり好きではないが、魅せられてしまう作品だ。

ちなみに1話ごとにタイトルがついているが、何かの曲のタイトルだったり、そのもじりだったいりする。雑誌の連載ではわからないときもあるが、コミックになると巻末にその曲とアーティストが一覧になっている。音楽好きの人にはそこにも注目!なかなかの「選曲」だ。

2007年1月19日 (金)

「イカロスの山」&「岳」

最近出た山マンガの最新刊を二つ。

中学くらいからだろうか。山マンガが好きなのだ。とてつもない大きな壁として立ちはだかる自然、ザイルパートナーとの信頼関係、死と隣り合わせの危険、そしてザイルパートナーの死…。

そんな人間模様が好きらしい。

実生活では山登りなんてとんでもない。自分ではやりたくないし、やる人の気が知れない。

でも好きなんだ、山マンガ。

山マンガを好きになったきっかけとも言える漫画家の一人塀内夏子(当時は真人)が最近山マンガを久々に描いている。それが「イカロスの山」。

5 学生時代にザイルパートナーを組んでいた二人が、8000m級の未踏峰が発見されたことをきっかけに再び接近していく。5巻ではその未踏峰に挑戦している途中なんだけど、その前には主人公の一人・平岡が若いザイルパートナーの死を乗り越えたり、もう一人の主人公・三上が妻と平岡の過去に疑念を持ったりする。

昔(デビュー直後)の「おれたちの頂」では単純に男二人の友情を描いていたのに、今はいろんな大人の物語をちりばめてくる。塀内夏子も大人になってるんだよな(当然だけど)。それでも山に挑戦する男たちのドラマをえぐり出す力は健在。

一方、もう一つのマンガ「岳」はちょっと趣が違う。

3 日本アルプスで山岳救助ボランティアをしている島崎三歩が出会うさまざまな遭難事故のお話。当然助けられることもあれば、助けられずに死んでしまうこともある。時には死んでしまった遭難者の遺体を捜し出す活動も。

山岳救助だから人間の死がたくさん出てくるのだが、それほど重苦しい感じになっていない。たぶん、三歩の明るくのほほんとしたキャラクターと画風のせいだろう。

でも、読んでて涙をこらえなきゃいけない!

「イカロスの山」もしかり!

そう、たぶん自分は人の死を描く物語に弱いのだ。

自然の前で不条理に奪われていく命。でもそこから目をそらさずに前に進んでいく主人公(たち)。

あぁ、もう!そういうの弱いなぁ。

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