母なる証明(MOTHER)
ボン・ジュノ監督、キム・ヘジャ主演、ウォンビン出演の韓国映画。ボン・ジュノは「グエムル」以来の監督作品。原案・脚本にも共同クレジット。
漢方薬店を営んでいた母に育てられた一人息子のトジュン。不良のジンテと仲がよかったが、頭がよくないトジュンはいつも利用されてばっかり。ある日、一人で飲んでいたトジュンは帰り道に女子高生に声をかけるがナンパに失敗する。次の日、逃げられた場所からはその女子高生の死体が発見され、トジュンが殺人容疑で逮捕されてしまう。殺人など犯すはずがないと信じる母は、息子の無罪を証明するためにあらゆる手を尽くす…。
映画としては「ミステリー」と分類されている。間違ってはいない。ジンテを疑いジンテの自宅へ不法侵入するシーンの緊迫感、真犯人が明らかになる過程…、確かにミステリーだった。でもそれ以上に印象に残るのが、すさまじいまでの母の執念だ。
若干知的障害気味の一人息子を溺愛するという図式は、ともするとありがちな母の愛情を描くように思えた。ところが徐々に過去がわかり、母の狂気と業の深さが明らかになる構成なのだ。さすがの脚本力!
母には役名がない。「トジュンの母」と呼ばれるのみ。生きる上で「自分」は必要ではなく、必要なのは「息子」だけ。そんな生き方を象徴するような設定だ。わざとそうしたのだろうか…。
真犯人が誰か?なんて大した問題じゃない。ただただ母の狂気を描ききった、迫力の映画だ。
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